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てんかんについて

国立病院機構紫香楽病院では重症心身障がい、神経難病を中心とした医療を行っています。てんかんはこのような疾患にも合併しますが、それとは別に一般のてんかん患者さんの診療もしています。  呼吸器感染症といっても鼻風邪から肺炎、結核まであるのと同様、てんかんも病状は様々です。全てを一様に述べることは困難ですので、一般的と思われる例を想定して記述しました。

てんかんとは

てんかんは脳の神経細胞の過剰な興奮による発作を繰り返す病気です。(ただし神経細胞の興奮というのは細胞の電気的活動を指す専門用語で、情緒的な高ぶりという意味の興奮ではありません。)

 頻度

120人に1人の頻度の病気であり、珍しい病気ではありません(日本に100万人くらいの患者さんがいると考えられています)。この話をするとよく「そんなに多いのか!」と驚かれます。 自分の周りでは見たことがないというのがその理由です。てんかんの患者さんは別に病名のラベルを付けて歩いているわけではありませんし、普段の生活では特に支障のない方も多いので、ただ見ているだけでは患者さんで あるかどうかはわかりません。たまたま大きな発作を目撃すればそうだったのかということがわかる程度です。逆に言えばみんなが気付かないほど普通の生活ができる人が多いのです。

 よくある誤解

昔は精神疾患と考えられた時代がありますが現在では通常はそういう理解はされていません。性格や親のしつけが発病に関係するというのも間違いです。不治の病と思っている人もいますが治ります。 遺伝性の病気でもありません。珍しい病気でもありません。病状の本質は発作を繰り返すことで、発作と発作の間は基本的には普段と変わらない状態です。患者さんにとってはこのような誤解がしばしば大きな悩みになります。 普通に仕事や勉強ができる病状なのに「仕事をさせない方が安全」とか「勉強も休ませた方がよい」といった誤解をすると大変です。患者さんの安全を考えた善意の配慮であっても結果的には患者さんを苦しめます。学校や職場 だけではなく家族も無意識に患者さんを傷つけることがあります。単に普通にするだけでよい場合も多いのですが・・・

 検査と診断

脳波検査が大切です。痛みも危険もない検査です。頭に電極を着けて脳が発生する電気を測定します。てんかんであることの診断だけではなく、病状の変化を知る上でも役立ちます。他の原因を探したり治療 の副作用を発見するためにCT検査や血液検査も必要です。しかしこれらの検査は全て補助診断といわれ、最も重要なのは症状です。症状の観察から全てが始まります。発作を目撃された方はできるだけ時間経過を追って詳しく観察 し、担当医に教えてください。

 治療と予後

発作は、事故がない限り命にかかわることは稀です。発作によって知的障がいや、身体の障がいが起こることはありません。(発作時に倒れて頭に損傷を受けたり、極端に長い発作で酸欠状態になり脳に損傷を受 けた場合は別です。) 命にかかわらなくてもやはり発作はない方がよいので、特別な事情がない限り、治療を受けられることをおすすめします。  薬による治療が原則です。手術などもありますが、薬が効かない場合で、しかも多くの条件に当てはまる特定の患者さんだけが適応です。少なくとも最初は薬(抗てんかん薬)で治療するべきです。これによって9割近くの患者さんは 発作が抑制できますし、抑制できれば多くの場合治癒が期待できます。希望を持って治療を受けてください。

 国立病院機構紫香楽病院での対応

当院では日本てんかん学会が認定した臨床専門医を中心として、てんかんの診療にあたっています。脳波やCT検査をして正確な診断をした上で、治療方針を決定します。必要があれば神経内科の専門医とも相 談しながら診断治療を進めます。遠く県外から診察を受けに来られる方もあります。午後の小児慢性疾患外来(予約制)をご利用いただくと待ち時間が少なくてすみます。担当医は小児科医ですが、てんかんに関しては年齢にかか わらずお受けできます。重症心身障がい児(者)の方の相談も同じときにお受けできますので、ご利用ください。お急ぎの場合は平日午前中の小児科一般外来を受診していただいて結構ですが、長時間のご相談はお受けできない場合 がありますのでご了承ください。必要があれば入院して検査や治療をすることもできます。

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